はじめに
「行政書士が作成できる書類」と聞くと、契約書や申請書などを幅広く思い浮かべる方が多いかもしれません。一方で、どこまでが行政書士の業務で、どこからが他の資格者の業務なのかは、一般には分かりにくい部分でもあります。
行政書士は「書類を作る仕事」というイメージを持たれがちですが、実際には法律で定められた範囲の中で、作成できる書類の種類や関与の仕方が決まっています。本記事では、行政書士が作成できる書類とは何かを、制度上の位置づけを踏まえて整理します。
制度・業務の事実説明
行政書士が作成できる書類は、大きく分けて「官公署に提出する書類」と「権利義務・事実証明に関する書類」です。
まず、官公署に提出する書類とは、許認可申請書、届出書、報告書など、行政機関に対して提出する各種書類を指します。建設業許可、飲食店営業許可、在留資格に関する申請などが代表例です。これらは、法令や様式に従って正確に作成する必要があります。
次に、権利義務・事実証明に関する書類とは、契約書、合意書、内容証明書、議事録など、当事者間の権利や義務、事実関係を整理・明文化するための書類です。行政書士は、法律関係を争う前提ではない範囲で、これらの書類を作成します。
一方で、訴訟書類の作成や、裁判所に提出する書類のうち代理性を伴うもの、登記申請書の作成などは、行政書士の業務範囲には含まれません。これらは司法書士や弁護士の業務と明確に区分されています。
当事務所の取り扱い方針
当事務所では、行政書士として認められている範囲内で、官公署提出書類および契約関係書類の作成を行います。申請や契約の内容を整理し、必要な書類を整えることを業務の中心としています。
一方で、紛争性が高い案件や、裁判対応を前提とする書類作成、登記業務などについては取り扱いません。その場合には、適切な専門職種への相談が必要となります。
補足・注意点
行政書士が作成できる書類であっても、すべての案件を一律に引き受けられるわけではありません。事案の内容や目的によっては、他士業の関与が必要となる場合があります。
また、「書類作成」といっても、単に文章を整える作業ではなく、制度や要件を踏まえた事前確認や整理が重要になります。そのため、書類の種類によっては、作成までに一定の時間を要することがあります。
最後に
行政書士が作成できる書類とは、官公署への提出書類と、争いを前提としない権利義務・事実証明に関する書類が中心です。業務範囲は法律によって定められており、他の資格者の業務とは明確に区分されています。書類作成を検討する際には、この点を前提として理解しておくことが重要です。

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