行政書士事務所ごとに業務内容が異なる理由

はじめに

行政書士事務所のホームページを見ると、取り扱っている業務内容が事務所ごとに異なっていることに気づく方も多いかもしれません。「行政書士なら同じ仕事をするのではないか」と感じる一方で、分野ごとに特色があるように見える点に疑問を持たれることがあります。

この違いは、制度上の制約というよりも、行政書士という資格の性質や業務の成り立ちに由来するものです。行政書士業務の枠組みを理解すると、なぜ事務所ごとに業務内容が異なるのかが見えてきます。

本記事では、行政書士事務所によって業務内容に違いが生じる理由について、制度面と実務面の両方から整理します。

制度・業務の事実説明

行政書士は、法律で定められた範囲内において、官公署に提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続の代理などを行う資格です。この業務範囲自体は、全国の行政書士で共通しています。

一方で、行政書士が扱える業務分野は非常に幅広く、許認可、相続、法人設立、契約書作成、外国人関連手続など、多岐にわたります。すべての分野に精通することは現実的ではないため、各行政書士は自身の経験や知識、これまで関わってきた分野を中心に業務を行うことになります。

また、行政書士には業務の「独占分野」がある一方で、他士業と業務が接する分野も存在します。そのため、どの範囲まで取り扱うかについては、法令を踏まえつつ、各事務所が判断しています。

当事務所の取り扱い方針

当事務所では、行政書士業務の中でも、事前に内容を整理し、書面によって手続きを進められる分野を中心に取り扱っています。業務内容については、法令上の位置づけや業務範囲を確認したうえで、対応可能なもののみを明示しています。

一方で、行政書士の業務範囲を超えると判断される内容や、他の専門資格による対応が適切と考えられるものについては、当事務所では取り扱いません。業務の可否を明確にすることを重視し、無理に対応範囲を広げることは行っていません。

補足・注意点

行政書士事務所の業務内容の違いは、優劣や得意・不得意を示すものではありません。それぞれの事務所が、どの分野に注力しているかの違いに過ぎない点には注意が必要です。

また、ホームページに記載されていない業務であっても、制度上は対応可能な場合もあります。ただし、実務経験や体制の関係から、あえて掲載していないケースもあります。業務内容の記載は、あくまで事務所の方針を示すものとして理解することが重要です。

最後に

行政書士事務所ごとに業務内容が異なるのは、資格の性質上、幅広い分野の中から各事務所が対応可能な業務を選択しているためです。業務範囲の違いは制度の例外ではなく、実務上の自然な結果といえます。行政書士業務を理解する際には、この前提を踏まえて事務所ごとの案内を見ることが大切です。

コメント