はじめに
行政書士に依頼できる業務として、「記入代行」「清書代行」という言葉を目にすることがあります。一方で、これらがどこまでの作業を指すのか、書類作成との違いが分かりにくいと感じる方も少なくありません。
とくに、自分で内容は考えたものの、様式への記入や体裁の整え方に不安がある場合、「全部任せるほどではないが、誰かに整えてほしい」と考える場面もあります。このような需要に対応する業務が、記入代行・清書代行です。
以下では、行政書士業務としての記入代行・清書代行がどのような位置づけにあるのかを、一般的な考え方に基づいて整理します。
制度・業務の事実説明
行政書士は、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類について、作成を行うことができます。その業務の一部として、依頼者が用意した内容をもとに、所定の様式へ正確に記入する作業や、手書き原稿などを整った書式で作り直す作業が行われることがあります。
一般に、記入代行とは、申請書や届出書などの様式に、依頼者から提供された情報を転記する作業を指します。清書代行は、下書きやメモをもとに、読みやすい形で文書を整える作業を意味することが多いです。
ただし、単なる事務作業であっても、内容の判断や法的な整理が必要になる場合には、実質的に「書類作成業務」に該当します。そのため、誰でも行える作業と行政書士業務との線引きは、作業内容によって異なります。
当事務所の取り扱い方針
当事務所では、記入代行・清書代行のご依頼について、事前に業務内容を確認したうえで対応しています。具体的には、依頼者が作成した内容をそのまま様式に反映する作業であれば、記入・清書として扱います。
一方で、記載内容の検討や修正、文案の整理が必要な場合には、単なる代行作業ではなく、書類作成業務として取り扱います。この場合、業務範囲や責任の所在を明確にしたうえで進めます。
また、内容の真偽確認や事実関係の調査そのものを代行することは行いません。あくまで、提供された情報を前提とした作業に限られます。
補足・注意点
記入代行・清書代行を依頼する際には、「どこまでを任せたいのか」を整理しておくことが重要です。形式を整えるだけなのか、内容面も含めて確認してほしいのかによって、業務の性質は大きく変わります。
また、行政機関の様式によっては、軽微な記入作業であっても、記載ミスが不利益につながることがあります。そのため、単純作業に見えても、専門家が関与する意味は小さくありません。
費用や対応可否は事務所ごとに異なるため、事前の説明を受けたうえで判断することが望ましいでしょう。
最後に
記入代行・清書代行は、行政書士業務の中でも比較的限定的な作業ですが、書類提出の正確性を支える役割を持っています。業務範囲を正しく理解したうえで利用することで、過不足のない依頼につながります。行政書士に依頼する際には、その位置づけを踏まえて検討することが大切です。

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