修正回数を限定している理由について

はじめに

行政書士業務の案内の中で、「修正回数に上限を設けている」と記載されていることがあります。これについて、「なぜ回数を限定するのか」「融通が利かないのではないか」と感じられる方も少なくありません。

しかし、修正回数の設定は、業務を効率化するためだけの都合ではなく、書類作成業務の性質や責任の所在と深く関係しています。ここでは、その理由を一般的な観点から整理します。

制度・業務の事実説明

行政書士の主な業務の一つは、官公署に提出する書類の作成です。これらの書類は、単なる文章ではなく、制度要件や提出先の運用を踏まえた「完成形」が求められます。

修正が発生する理由には、次のようなものがあります。

  • 依頼時点で情報が未整理である
  • 前提条件や方針が途中で変わる
  • 書類の目的が途中で変化する

こうした場合、修正は内容の微調整ではなく、「別の書類を新たに作る」に近い作業になることがあります。修正回数を無制限にすると、業務範囲や責任の線引きが不明確になりやすく、結果として書類の品質や進行管理に影響が出ます。

当事務所の取り扱い方針

当事務所では、依頼内容を確認したうえで、作成方針を定め、その範囲内での修正回数を設定しています。
これは、

  • 初回のヒアリング内容を基準に作業を進める
  • 作業範囲と責任範囲を明確にする
  • 書類を一定の完成度で確定させる

ことを目的としています。

一方で、当初の前提と異なる内容への変更や、新たな制度・目的への切り替えについては、追加作業として別途扱います。無制限の修正対応は行っていません。

補足・注意点

修正回数の上限は、「細かな調整を受け付けない」という意味ではありません。誤記や表現の整理など、想定される範囲の修正は通常含まれています。

注意すべき点として、依頼前に以下を整理しておくことで、不要な修正を減らすことができます。

  • 何のための書類か
  • どこに提出するのか
  • 現時点で確定している事実と未確定事項

これらが整理されていない場合、修正回数を重ねても書類が固まらないことがあります。

最後に

修正回数を限定する理由は、業務を簡略化するためではなく、書類作成の前提と責任を明確にし、適切な形で完成させるためです。
行政書士業務では、あらかじめ範囲を区切ることで、結果として依頼者にとっても分かりやすい進行が可能になります。

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