相続財産がないと考えている人のための遺言書(確認・整理用テンプレート)


1.導入

「自分には相続させるような財産はない」「遺言書はお金持ちが書くものだと思っている」
このように考えている方は少なくありません。

一方で、実際の相続では、
・名義だけが残っている不動産
・未解約の預貯金口座
・少額の保険金や返戻金
・負債や連帯保証
などが後から判明し、相続人が対応に困るケースもあります。

相続財産が「ないつもり」であっても、何も残さない意思を整理しておくこと自体が、相続手続きの混乱を防ぐ一つの方法になります。

本記事では、相続財産がない、またはほとんどないと考えている方向けに、意思整理を目的とした遺言書テンプレートを紹介します。


2.テンプレートの位置づけ

このテンプレートの目的

  • 相続財産が存在しない、または極めて少ない場合に
    「その認識」を文章として残すこと
  • 相続人が判断に迷いやすい点を事前に整理すること
  • 相続放棄や調査の判断材料を残すこと

このテンプレートが目的としていないこと

  • 法的効力の完全性を保証すること
  • 個別の財産状況に対する判断や助言
  • 相続トラブルを完全に防止すること

本テンプレートは、判断や保証を行うものではなく、整理・確認用の資料です。


3.想定している利用者

向いているケース

  • 自身では相続財産がない、またはほぼないと考えている方
  • 相続人に余計な調査や不安を残したくない方
  • 簡易的に意思を文章化しておきたい方

向いていないケース

  • 不動産・多額の預貯金・事業用資産がある方
  • 特定の相続人に財産を残したい意向がある方
  • 法的に確実な遺言書を作成したい方

4.テンプレートの使い方

  1. 氏名・作成年月日を記入する
  2. 現在把握している財産・負債の状況を整理する
  3. 相続人に伝えたい認識・考え方を記入する
  4. 自筆で作成・保管する(コピー不可)

※判断や表現は、無理に詳しく書く必要はありません。


5.無料テンプレート本文

以下は、そのまま使用できる整理用遺言書テンプレートです。


相続財産がないことを前提とした遺言書(整理用)

1.作成者

氏名:________________
生年月日:____年__月__日
住所:________________

本書は、私の現在の認識に基づき、自身の相続に関する考えを整理する目的で作成するものです。

2.相続財産に関する認識

私が把握している限り、以下のとおりです。

  • 預貯金:ほぼなし/少額のみ
  • 不動産:なし
  • 有価証券・投資:なし
  • その他の財産(保険・返戻金等):なし/不明

※将来的に判明する可能性があることは承知しています。

3.負債・債務について

  • 借入金:なし/不明
  • 連帯保証:なし/不明

4.相続人への意思表示

私自身は、相続人に特定の財産を残す意図はありません。
本書は、相続手続きの判断材料として参考にしてもらうことを目的としています。

5.注意事項

本書は、私の現時点での認識を記したものであり、
相続の結果や法的判断を保証するものではありません。

6.作成年月日・署名

作成年月日:____年__月__日

署名(自筆):________________


6.注意事項・免責

  • 本テンプレートは参考資料です
  • 個別の財産状況・家族関係には対応していません
  • 法的有効性や相続結果を保証するものではありません
  • 実際の相続手続きにおいては、別途調査や判断が必要になる場合があります

7.まとめ

相続財産が「ない」と考えている場合でも、
その認識や考え方を整理して残すことには一定の意味があります。

本テンプレートは、
判断を代行するものではなく、相続人が状況を把握するための補助資料です。

必要以上に構えず、
「今の認識を残しておく」ための一つの選択肢として活用してください。

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