はじめに
「行政書士による書類チェック(レビュー)」という言葉は、内容が漠然としており、具体的に何をしてもらえるのか分かりにくいと感じられることがあります。
一般には「書類を見てもらう」「間違いがないか確認してもらう」といったイメージで使われることが多いようです。
一方で、行政書士の業務には法律上の範囲があり、単なる目視確認や内容の是非を判断する行為とは性質が異なります。
そのため、書類チェックという言葉の意味を正しく整理しておくことが重要です。
制度・業務の事実説明
行政書士が行う書類チェック(レビュー)とは、官公署に提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類について、形式面・記載内容・法令との整合性を確認する業務を指します。
具体的には、次のような点が対象となります。
- 必要な書類が一通りそろっているか
- 記載事項に漏れや明らかな不整合がないか
- 定められた様式や提出要件に沿っているか
- 行政手続上、一般的に問題となりやすい点が含まれていないか
一方で、次のような行為は書類チェック業務の範囲外となります。
- 依頼者の代わりに内容の意思決定を行うこと
- 契約や紛争について法的な結論を断定すること
- 裁判を前提とした主張内容の評価や戦略判断
あくまで「提出される書類そのもの」を対象とした確認作業であり、判断や責任の主体は依頼者にあります。
当事務所の取り扱い方針
当事務所における書類チェック(レビュー)は、作成済み、または作成途中の書類を前提に、行政手続上の観点から確認を行う業務として取り扱っています。
行うことは次のとおりです。
- 行政書士業務として確認可能な範囲での記載内容の点検
- 手続上の一般的な注意点や修正が必要となりやすい箇所の指摘
- 書類作成業務へ移行する場合の切り分けの整理
一方で、以下の点は行いません。
- 書類内容の是非についての評価や保証
- 依頼者に代わる最終的な意思判断
- 他士業の業務範囲に属する専門的判断
業務範囲を明確にしたうえで、レビューのみを独立した業務として扱います。
補足・注意点
書類チェックを依頼する際には、次の点を理解しておく必要があります。
- チェックは「問題がないことを保証する」ものではありません
- 行政側の判断や運用により、結果が左右される場合があります
- 内容が未確定の段階では、確認できる範囲が限定されます
また、「軽く見てほしい」「念のため確認してほしい」という表現であっても、業務として行う以上、一定の責任と範囲が伴います。
そのため、事前にどこまでの確認を求めているのかを整理しておくことが重要です。
最後に
行政書士による書類チェック(レビュー)とは、書類の形式や記載内容を行政手続の観点から確認する業務です。
作成代行や判断業務とは異なり、役割を限定したうえで行われる点に特徴があります。
書類チェックという言葉の意味を正しく理解することで、依頼内容と業務範囲の行き違いを防ぐことにつながります。

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